ゆめメルのおはなし 〜メルーシアの案内人メリスより〜

ゆめメルのものがたり

ふわふわの雲の上に浮かぶ街

「メルルネ」

そこに住んでいるのが、

この物語の主人公、ゆめメル。

お気に入りのマントには、星の模様がふんわりと広がっていて、

肩からかけた小さな鞄には、たいせつな夢の絵本が入っています。

ゆめメルは、

今日もメルルネの街のまんなかにある夢の木のそばで、のんびりと空を見上げたり、

大好きな絵を描いたり、

とてもやさしい時間を過ごしています。

でもね、

ゆめメルが毎日こうして空をながめているのは、

ただ のんびりしているだけじゃないんです。

メルルネのまんなかにある、大きな「夢の木」。

その枝には、世界中のみんなが見る夢が、

ふわりと葉っぱのかたちになって やってきます。

きらきら光る 葉っぱや、

おいしそうな香りがする 葉っぱもあれば、

ときどき しょんぼり黒ずんだ 葉っぱが

そっと まぎれていることもあるのです。

黒ずんだ葉っぱは、

だれかが見ている「こわい夢」や「かなしい夢」のしるし。

そんな葉っぱを見つけたとき、

ゆめメルは そっと立ち上がります。

ふわふわのマントをひるがえして、

夢の絵本を開き、

星のしずくペンを手にとると、

その夢にぴったりな、やさしい物語を、

ひと筆ずつ、心をこめて描いていきます。

とてもこわかった夢には、

ほっとできる場所を——

さびしかった夢には、

やさしい光を——

星のしずくインクで、そっと、ゆっくりと。

すると、

黒ずんでいた葉っぱが

すこしずつ やわらかな色に変わって、

ぽうっと あかるく輝きはじめます。

そうして、

どこかの夢が ふわりと微笑みに変わったことをかくにんすると、

ゆめメルは、ちいさくうなずいて、

自分の好きなことをまた楽しむのです。

今日も ゆめメルは、そんなふうに

やさしい夢のそばで、静かに過ごしています。

それではまた、

ゆめメルのくらしを そっとご紹介しますね。

つづきは、また今度☁️📖

メルーシアの案内人 メリス

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